〖天秤座シーズン:コラム〗

 

太陽・月・水星・金星・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星。
太陽系の天体たちは、12星座をそれぞれのペースで巡ります。
天体にはそれぞれの働きがあり、12星座と同じように私たちと呼応しています。
また、各星座には守護星として天体が結びつけられています。
シーズン星座の守護星をピックアップして、あなたの中にあるさまざまな「私」にチューニングしていくコラムです。


まだ見ぬ星、まだ見ぬ私。




9月23日の秋分から、天秤座シーズンが始まりました。天秤座の守護星は、美を象徴する金星です。

金星は牡牛座と天秤座、ふたつの星座を守護していますが、それぞれが見つめる「美」は同じではありません。

牡牛座が見つめるのは、そのもの自体が持つ美しさ、自然美。
一方、天秤座が見つめるのは、関係の中に生まれる美しさです。秤というイメージの通り、バランスや調和の美、そして洗練された美。

ファッションで例えるなら、牡牛座はアイテムそのものの質や、自分自身が感じる着心地の良さに価値を感じる。天秤座は、アイテム同士のコーディネートやスタイリング、そして客観的に見たときの美しさを大切にする。
どちらも美を扱っていますが、「どこに美しさを見出すのか」が違うんです。



また、天秤座は12星座の中で、唯一「生き物」ではありません。
牡羊座は羊、牡牛座は牛、双子座は人間……。
水瓶座も、瓶を持つ青年ガニュメデスの姿として描かれます。
ところが天秤座は、本当に「天秤」そのもの。人間がつくった道具です。
これは天秤座の、文明的で社会的な性質を表しているようにも見えます。

地球と人間、私とあなた、ものともの。
天秤座は、その「間」に立って重さを測り、釣り合いを探す知性そのもの。
そのため、人間関係やパートナーシップにおいて、微妙な違和感やバランスの崩れを察知する鋭さを持っています。
人間社会の中に秩序や調和を見出す天秤座は、地母神的な金星のイメージだけでは収まりきらない部分があるのかもしれません。



火星と木星の「間」には、無数の小天体が集まる「小惑星帯(アステロイドベルト)」があります。
小惑星は、19世紀初頭から相次いで発見された、比較的新しい天体たちです。
主に最初に発見された4つの天体には、古代神話に登場する女神たちの名前が付けられています。
セレス、パラス、ジュノー、ベスタ。
占星学では、この4つの小惑星を、それぞれ異なる女性性や人間関係のテーマとして読むことがあります。

セレスは、母性、養育。
私は、なにを大切に育てたいのか?
パラスは、知的創造性、戦略。
私は、どんな頭脳や才能を使って世界と関わっていきたいのか?
また、パラスは内面のジェンダーバランスを示すとも考えられています。
ジュノーは、パートナーシップ、結婚。
私は、親密な関係性になにを求めるのか?
ベスタは、献身、集中。
私は、なにを聖域として守り抜きたいのか?

あなたの出生ホロスコープで、アステロイドベルトの四大小惑星がどの星座にあり、どんな性質を持っているのかを客観的に見てみることで、あなたが求める人間関係のヒントが見つかるかもしれません。





火星と木星の間には、かつて大きな惑星があり、現在の小惑星帯はその破片なのではないか、という仮説が、かつて提唱されたこともありました。
これは現在の天文学で支持されている説ではありませんが、「失われた惑星」という物語は、SF作品などにも登場するテーマになりました。

そして近年では、2016年に「プラネット・ナイン」と呼ばれる惑星の存在が発表されました。
太陽系外縁天体の軌道の偏りなどを説明するために提案された仮説上の惑星なので、現在も直接観測はされていません。
でももし存在するなら、その質量は地球のおよそ5〜10倍。太陽からとても遠いところを約1〜2万年かけて公転していると推定されています。

「人類の意識が進化したとき、新しい惑星は人類の前に現れる。」
そんな占星学的な考え方があります。

かつては、肉眼で見ることのできる最も遠い惑星、土星までが世界の果てだった時代がありました。
そこから望遠鏡の進化によって、18世紀には天王星、19世紀には海王星、20世紀には冥王星そしてキロンなど、新たな天体が次々と発見されていきました。
新しい天体が発見されるたびに、私たち人類が認識できる世界の範囲もまた、広がってきました。

占星学の世界でも、天王星が発見された後、水瓶座の守護星として天王星が取り入れられ、海王星は魚座、冥王星は蠍座の新しい守護星として位置づけられるようになりました。
21世紀に入ってからは、死と再生を象徴する冥王星のさらに外側に、セドナやエリスなどの太陽系外縁天体が相次いで発見され、それは多次元の象徴となりました。私たちの世界が外側へ広がるたびに、扱うテーマはより深い領域へと向かっています。

目に見えるものを追い求める物質的な時代から、「本当の豊かさとは何か」を問い直す心の時代へ。
思えばこの10年ほどで、私たちの目に見えないものへの理解も一気に進んだように思います。

「目には見えないけれど、確かに存在するもの。」

私たちがそれを確信したとき、プラネット・ナインも、実際にその姿を現すのかもしれません。

そして、これからもきっと発見されていくであろう新たな星たちと、私たちはどんなストーリーを紡いでいくのでしょうか。

近いうちに、天秤座の守護星についても、
「金星だけでは説明しきれない何か」が見つかる日が来るのかもしれませんね。





天秤座は、出会いのシーズン。
相手という鏡を通して、私を知るとき。
まだ見ぬ星があるように、
まだ発見されていない私がいる。
この秋は、その扉を開いてみてください。

 

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来月の蠍座シーズンには、i fragranceは2周年を迎えます。
コラムも次回から新たなテーマになります。
どうぞお楽しみに!